唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
新世代デジタル“一眼”?
パナソニックから、先月発表されたばかりのマイクロフォーサーズ規格のカメラ、LUMIX DMC-G1が登場した。そのキャッチコピーが「新世代デジタル一眼」。
デジタル方式の一眼レフカメラの略称に「デジイチ」と云うのがあるが、これはあくまでも「デジタル方式一眼レフカメラ」の省略形だが、今回パナソニックから登場したG1は「デジタル方式一眼カメラ」なのだと云う。つまり「レフ」の二文字、正確には「レフレックス」という言葉が無いのである。
カメラにおけるレフレックスとは、撮影用のレンズに入ってきた被写体の像を、ミラー(鏡)やプリズム(注1)を利用して反射(Reflex)させて、ファインダーで直接見ることのできる形式のことを云う。レンズから入った像をミラーとプリズムの両方を使ってファインダーで確認できるようにした「一眼レフ」がその代表だ。
さて、今回パナソニックが発表した「デジタル一眼」G1は、そのコピーに「レフ」の文字が無いことから判るように、レンズから入った像を反射させるミラーもプリズムも持っていない(注2)。これまで、デジタル方式のスティルカメラとして「デジイチ」と「コンデジ」の二つの形式が認知されていたが、G1はこれまでの分類からすれば、明らかに「デジイチ」ではなく、あえて云えば「レンズ交換が可能で、かつ電子ビューファインダーを持つコンデジ」と云うことになるだろう。
これまでにも電子ビューファインダーを持つ「コンデジ」は存在していた。NikonだとCOOLPIX8000シリーズ(8800など)がそれにあたるが、レンズの交換をすることは出来なかった。フジフィルムのFinePix S900シリーズも、外見はより一眼レフに近いけれど、COOLPIX8000シリーズと同様の成り立ちのカメラだ。
そんなこんなを考えると、パナソニックG1の、レンズ交換はできるけれど、ファインダーは電子式と云う形式はこれまでのデジタル方式カメラには無かった、まったく新しい方式だという事が言えるだろう。郷秋<Gauche>は、マイクロフォーサーズ規格が登場した時に、このフォーマットでレンジファインダー方式のデジタルカメラの登場を期待したいと書いたのだが(こちらをご覧あれ)、マイクロフォーサーズ規格を採用した最初の機種はそうはならず、より一眼「レフ」に近い形式のものが登場したわけだ。
撮影されるべき被写体を、そっくりそのまま確認することができる(注3)のが一眼レフの最大の特徴であり、他のあらゆる形式のカメラよりも有利であると云われ、特に報道分野を中心に圧倒的な支持を得てきた。今回、レンズ交換&電子ビューファインダー方式のカメラが登場したわけだが、もし、電子ビューファインダーの見え方が、従来の方式の一眼レフの出来の良いファインダーと遜色ないのであれば画期的なことである。
史上最強といわれる一眼レフにもネガティヴな部分はある。それは一眼レフの最大の特徴であるレフレックス機構である。少なくないスペースが必要であり作動時には大きな音を発するミラーと、大きく重たいプリズムがそれ。
撮像素子のサイズと同じ大きさのミラーが上下するのだから、どんなに高速のものを開発してもそのスピードには限りがある。ついには可動式ミラーを止めて、ハーフミラーを使用することで高速撮影を可能にしたモデルさえ在るほどだ(注4)。
だから、大きくて重たいプリズムと共にミラーそのものがなくなってしまうなら、これはもう画期的なことなのである。勿論、スペックが従来型一眼レフのそれにひけをとらないだけではなく信頼性や実際の使い勝手の面でも、例えばニコンのF一桁、D一桁シリーズのそれに見劣りすることのないものを作る事が出来ればという話だが。
ただし、マイクロフォーサーズ規格は小さなサイズの撮像素子を使用することを前提にした規格である。それが良くも悪くもマイクロフォーサーズ規格を性格付けているわけで、例えば5年後、ニコンのD一桁モデルからミラーとペンタプリズムが廃され、電子ビューファインダーを搭載しているとは思えないが、「デジタル一眼」というスタイルが新たなスタンダードのひとつになる事が出来るのか否か。今後の展開が楽しみである。
注1:プリズムの代わりに複数のミラーを使用することもある。
注2:撮影用と像の確認およびピント合わせ用に二つのレンズを持ち、像の確認およびピント合わせ用にミラーのみを使用する二眼レフカメラもあった。
注3:実は、撮影のその瞬間はミラーが上がっていることからファインダーがブラックアウトするのが最大の欠陥とも言える。ただし、クイックリターンミラーが開発され、その更なるリファインにより、ブラックアウトはコンマ数秒程度まで短縮され、現在ではその実害は最小限に抑えられている。
注4:Nikon F3H。秒速最高 13.5コマ。36 枚撮りのフィルムを 2.6 秒で撮りきってしまう程の速さだ。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、南会津シリーズから、金山町の玉梨牧場の白樺林で撮影した「秋の足音」その2。
デジタル方式の一眼レフカメラの略称に「デジイチ」と云うのがあるが、これはあくまでも「デジタル方式一眼レフカメラ」の省略形だが、今回パナソニックから登場したG1は「デジタル方式一眼カメラ」なのだと云う。つまり「レフ」の二文字、正確には「レフレックス」という言葉が無いのである。
カメラにおけるレフレックスとは、撮影用のレンズに入ってきた被写体の像を、ミラー(鏡)やプリズム(注1)を利用して反射(Reflex)させて、ファインダーで直接見ることのできる形式のことを云う。レンズから入った像をミラーとプリズムの両方を使ってファインダーで確認できるようにした「一眼レフ」がその代表だ。
さて、今回パナソニックが発表した「デジタル一眼」G1は、そのコピーに「レフ」の文字が無いことから判るように、レンズから入った像を反射させるミラーもプリズムも持っていない(注2)。これまで、デジタル方式のスティルカメラとして「デジイチ」と「コンデジ」の二つの形式が認知されていたが、G1はこれまでの分類からすれば、明らかに「デジイチ」ではなく、あえて云えば「レンズ交換が可能で、かつ電子ビューファインダーを持つコンデジ」と云うことになるだろう。
これまでにも電子ビューファインダーを持つ「コンデジ」は存在していた。NikonだとCOOLPIX8000シリーズ(8800など)がそれにあたるが、レンズの交換をすることは出来なかった。フジフィルムのFinePix S900シリーズも、外見はより一眼レフに近いけれど、COOLPIX8000シリーズと同様の成り立ちのカメラだ。
そんなこんなを考えると、パナソニックG1の、レンズ交換はできるけれど、ファインダーは電子式と云う形式はこれまでのデジタル方式カメラには無かった、まったく新しい方式だという事が言えるだろう。郷秋<Gauche>は、マイクロフォーサーズ規格が登場した時に、このフォーマットでレンジファインダー方式のデジタルカメラの登場を期待したいと書いたのだが(こちらをご覧あれ)、マイクロフォーサーズ規格を採用した最初の機種はそうはならず、より一眼「レフ」に近い形式のものが登場したわけだ。
撮影されるべき被写体を、そっくりそのまま確認することができる(注3)のが一眼レフの最大の特徴であり、他のあらゆる形式のカメラよりも有利であると云われ、特に報道分野を中心に圧倒的な支持を得てきた。今回、レンズ交換&電子ビューファインダー方式のカメラが登場したわけだが、もし、電子ビューファインダーの見え方が、従来の方式の一眼レフの出来の良いファインダーと遜色ないのであれば画期的なことである。
史上最強といわれる一眼レフにもネガティヴな部分はある。それは一眼レフの最大の特徴であるレフレックス機構である。少なくないスペースが必要であり作動時には大きな音を発するミラーと、大きく重たいプリズムがそれ。
撮像素子のサイズと同じ大きさのミラーが上下するのだから、どんなに高速のものを開発してもそのスピードには限りがある。ついには可動式ミラーを止めて、ハーフミラーを使用することで高速撮影を可能にしたモデルさえ在るほどだ(注4)。
だから、大きくて重たいプリズムと共にミラーそのものがなくなってしまうなら、これはもう画期的なことなのである。勿論、スペックが従来型一眼レフのそれにひけをとらないだけではなく信頼性や実際の使い勝手の面でも、例えばニコンのF一桁、D一桁シリーズのそれに見劣りすることのないものを作る事が出来ればという話だが。
ただし、マイクロフォーサーズ規格は小さなサイズの撮像素子を使用することを前提にした規格である。それが良くも悪くもマイクロフォーサーズ規格を性格付けているわけで、例えば5年後、ニコンのD一桁モデルからミラーとペンタプリズムが廃され、電子ビューファインダーを搭載しているとは思えないが、「デジタル一眼」というスタイルが新たなスタンダードのひとつになる事が出来るのか否か。今後の展開が楽しみである。
注1:プリズムの代わりに複数のミラーを使用することもある。
注2:撮影用と像の確認およびピント合わせ用に二つのレンズを持ち、像の確認およびピント合わせ用にミラーのみを使用する二眼レフカメラもあった。
注3:実は、撮影のその瞬間はミラーが上がっていることからファインダーがブラックアウトするのが最大の欠陥とも言える。ただし、クイックリターンミラーが開発され、その更なるリファインにより、ブラックアウトはコンマ数秒程度まで短縮され、現在ではその実害は最小限に抑えられている。
注4:Nikon F3H。秒速最高 13.5コマ。36 枚撮りのフィルムを 2.6 秒で撮りきってしまう程の速さだ。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、南会津シリーズから、金山町の玉梨牧場の白樺林で撮影した「秋の足音」その2。
コメント ( 7 ) | Trackback ( )
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以前、アキバヨドバシに行った時。売り場にオリンパスの社員がいまして、「何か希望の商品はありますか?」と聞かれた事がありました。
僕はすかさず、「広角レンズ単焦点と、昔のPENのようなデザインのカメラを…」と話しました。
本当かどうかは判らないのですが「持ち帰って、検討したいと思います」と言われたのを思い出しました。
レンズ交換の出来るPENシリーズの再来を…と願ってみたりしています(笑)。
es206さん>
オリンパス・ペン、懐かしい響きです。実家に2台(たぶん)ペンDとペンFTがありました。もちろん父が使っていたものですが、父がコンパクトカメラ(たぶんニコン・ピカイチ@'83年発売)を買った後は、ペンDがほぼ私専用(中学校)になり、その後(高校)ペンFTも私が使うようになって行きました。
ちなみに小学校(高学年)の時は、もっぱら母専用だったコダック・ポケットインスタマティックを使わせてもらった?
大学以降に撮った写真はハーフのネガがほとんどなかったので、父所有のコンパクトカメラか、自分で買ったor買ってもらった?コンパクトカメラを使うことが多く、ペンも「お蔵入り」になってしまいましたが。。。
更に小さいオリンパスと云うとどうしてもPENを
思い出しますね。PENは今見てもGood Designですからね。
それと、es206さんのblogへのリンクの設定をぜひぜひ、お願いします。
まさつぐさんも、結構長いカメラ歴をお持ちではありませんか?!って、そう云えばどこかの団体で写真係りをしていたような・・・。
>ペンFT
私は今も持っていますよ。でも、ファインダーが曇っちゃって使い物にはなりません。修理できるかなぁ・・・
当時中学生の僕には、とてもカメラを買う余裕はありませんでした。親父から貰った、TRIP 35というカメラを使っていたのを思い出しました。PEN、欲しかったです。
リンクの設定は、コメント欄のもので良かったのでしょうか?
僕のブログから、郷秋さんのところにリンクも貼ってみました。
よろしかったでしょうか?
>まさつぐさん
まさつぐさん、こんばんは。
TRIP 35というカメラを当時使用していましたが、先輩の持つペンに憧れたものでした。
常に学生カバンに入れて持ち歩くというスタイルを、今でもカッコいいな…と思い出します。
ペンを彷彿させる様なデザインで、今回のマイクロフォーサーズ機で登場しないかな?と、密かに期待しているところです。
コメントありがとうございます。
>リンクの設定は、コメント欄のもの
コメント欄からes206さんのblogをお訪ねくださる方もいらっしゃることかと思います。
>TRIP 35・・・PEN
オリンパスはやはり小さなカメラの代名詞なんですね。